投資の世界では、しばしば「一攫千金」や「短期間で儲ける」といったフレーズが飛び交います。
しかし、現実の投資生活はそんなに単純なものではありません。
今回紹介するのは、普段、堅実に投資を続けることを目指す方々に向けた非常に意義深い一冊、それが『お金を増やすことを目的にしない地味な銘柄をコツコツ買う最初は投資信託、ETFから始める配当金の多い少ないは気にしない勝ち続ける人が実践している投資の33の心構え』です。
本書を手掛けた著者たぱぞうさんが描く、日々の地道な投資方法と心構えは、これから投資を始める方にとっても、すでに長い時間を市場で過ごしている方にとっても、気づきとなるでしょう。
著者たぱぞうによる投資の心構えとは?
たぱぞうさんは、「お金を増やすことを目的にしない」という理念を提唱しています。
これに一瞬、戸惑いを感じる読者もいるかもしれませんが、その背景には深い哲学があります。
目的をお金の増加に置くと、短期間で利益を追求しがちになり、結果としてリスクの高い投資に走ってしまったりします。
たぱぞうさんはそれよりも、
「長期的な視点で市場に投資し、経験を積み重ねていくことの方が重要だ」と説いています。
この考え方は、一時的な変動にとらわれず、結果として堅実な資産形成に寄与します。
地味な銘柄をコツコツ買う理由
たぱぞうさんは、あえて「地味な銘柄をコツコツ買う」ことを勧めています。
華やかな銘柄や人気のテック株に目を向けがちな市場において、地味な銘柄は見過ごされがちです。
しかし、地味であっても長期間にわたって着実に安定した収益をもたらす企業は多数存在します。
これらの企業は、特別な成長を見込むことができないかもしれないものの、堅実な事業運営を背景にしっかりした配当を支払い続ける会社が多いのです。
このアプローチは、多くのリスクを避けながらも収益を実現するための王道とも言えます。
投資信託とETFの初期投資へのおすすめ
「最初は投資信託、ETFから始める」というアプローチは、投資初心者にとって大変効果的な戦略です。
個別株への投資には多くの知識と時間が必要ですが、投資信託やETFを利用することで、市場全体の動きを手軽に追うことができ、プロフェッショナルによる運用の恩恵を受けることも可能です。
様々な情報を分析する労力を減らしつつ、分散投資の利点を享受することができます。
最初からリスクを取りすぎず、緩やかなスタートを切ることが、その後の投資人生を豊かにします。
配当金の多い少ないに囚われない投資哲学
多くの投資家が配当金の多さを判断基準にがちですが、たぱぞうさんはその多い少ないに左右されるべきではないと主張します。
なぜなら、配当に関する情報は一つの指標でしかなく、他の重要なファクターを見落とす原因になるからです。
企業の成長可能性や市場戦略、経営の健全性などを総合的に評価し、その上で投資を決めることが賢明です。
実際のところ、配当が少ない企業でも長期的な視野で大きな成長を遂げるケースは少なくありません。
豊かな投資の世界では、表面的な数字や一時的な流れに流されず、深層を見極める力が重要です。
投資心構えの具体的なステップ
本書には具体的な投資心構えが33ステップにわたり解説されています。
たぱぞうさんの投資観は、単なる理論の解説に留まらず、具体的で実践可能な手法が詰め込まれています。
過去の成功例や失敗例を通じて、一歩一歩慎重に投資スキルを向上させるためのアプローチを伝授してくれます。
市場の動きに合わせるのではなく、自分自身の投資スタイルを確立し、自信を持って投資活動を行えるよう導いてくれます。
『勝ち続ける人が実践している投資の心構え』のまとめ
『勝ち続ける人が実践している投資の心構え』は、投資の世界で安定した成果を得るための指針を多角的に提示する書籍です。
たぱぞうさんの地に足のついたアプローチは、一時的なトレンドに流されない長期的な視点を持つことの重要性を教えてくれます。
これから投資を始める方やすでに経験を積んだ投資家の知識を深めるための良い伴侶となるでしょう。
この一冊を通じ、ぜひ自分自身の投資信条を見つけ出し、資産形成の新たな一歩を踏み出してください。